ペニーオークション

ペニーオークションとは,入札者が入札するたびに手数料を支払う形式のオークション。入札手数料は,落札できてもできなくても原則戻ってこない。

ペニーオークションでは開始価格や1回の入札金額の単位が低い金額(1円など)で固定されているため,入札が多数あっても通常価格より驚くほど安い価格が落札価格となることがあるとされていた。

しかし,ペニーオークションで落札するためには,あらかじめ購入したコインで入札手数料を支払い続けて入札を繰り返さなければならず,落札者の最終的な費用は,落札金額+入札回数×入札手数料(+送料)となる。

ペニーオークションの1回の入札手数料は75円,1回の入札金額の単位は1円というところが多い。また入札手数料のために購入するコインに有効期限がある場合が多い。

ペニーオークションでは必ず自動延長がついているため,入札回数がさらに増え続けることになるので,最終的な費用を考慮して入札回数を制限する必要がある。

また,落札できなかった入札者も入札手数料が戻ってこないことが問題になり,入札手数料分だけ割引してそのペニーオークション運営サイトの通常価格でその商品を購入できる制度を取り入れたところもある。

ペニーオークションは,2005年にドイツで開設されたSwoopoが発祥とされていて,日本では2009年から急速にペニーオークション運営サイトが増加した。

ペニーオークションでは,一般参加者に落札させないために,サクラ(運営者による入札)やbot(システムに組み込まれた自動入札ユーザー)を使用しているという疑念がつきまとっている。

ペニーオークションは、商品を落札できなくても高額な入札手数料が発生するうえ、一切返金されないため、ギャンブル性が高いとされて社会問題化し,2010年秋以降,閉鎖するペニーオークション運営サイトが相次いでいる。

2012年12月に、ペニーオークションの運営会社である「ワールドオークション」から4人が詐欺容疑で逮捕された。また20名以上の芸能人によるステマ事件も話題になった。

逮捕報道の直後から、残ったペニーオークションサイトも次々に閉鎖され、2013年中に当時運営されていたすべてのペニーオークションサイトが閉鎖された。

通常のオークションでは,サイト運営者が出品者と入札者にオークションの場を提供するが,ペニーオークションは,サイト運営者のみが出品者となるため,販売価格がオークション方式で決定されるショッピングサイトにすぎないという見方もある。

しかし,ペニーオークション運営サイトは,商品の費用と落札価格との差額ではなく,入札手数料収入によって利益を得ることを目的としているビジネスモデルである。